がくうそうでんせん

架空送電線の話

The Overhead Power Transmission Line
タワーラインソリューション
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フランスの送電線 France

I traveled in the French northern part in 2007. I did Cruise of the Seine to the river mouth from Paris and went from there to Rennes of Brittany district. On this page, I display the photographs which I took during a trip.

フランスには、2007年5月に旅行した。
旅行地は、首都のパリから、セーヌ川を大西洋河口まで下り、ノルマンディー地方を西進し、ブルターニュ地方の玄関口のレンヌまで、大雑把にフランスの北部を600Kmほど旅行し、多くの送電線を見た。

フランスは、国土の大半は概して緩やかな丘陵地や平野で可住地に恵まれていて、温暖な気候で農業大国である。
可住地の広さは日本のおよそ3.5倍にも達するので、送電線ルート確保も日本に比較してかなり容易であろう。例えば、各拠点変電所の送電線引き込み口では多数の送電線が水平配列で、広い専用用地を確保して引き込まれている。

使用電圧は、送電の電圧区分を3つに分け、高圧系統B1(63KV,90KV)、高圧系統B2(150KV,225KV)、高圧系統B3(400KV)として運用している。
送電線回線延長は、少し古い統計値であるが1996年現在で、225KV:約26,000km、400KV:約21,000kmである。
なお、既に750KV1回線送電線設備が建設されているが、現在は400KV2回線線路として運用されている。
一方、配電系統は、高圧系統A(10KV,15KV,20KV)、低圧系統(230V,400V) として運用している。

電源については、原子力発電への依存率が最も高い国で、その設備利用可能率が83%以上の高い比率であり、極めて高効率運用をしている。
発電用原子炉の数はアメリカに次ぐ59基。最近は総発電量の78%を原子力が占めており、その発電量はアメリカに次いで世界2位である。フランスの発電量は、水力10%、火力11%、等を含め、総発電量では世界第8位を占める。
また、国際的には、電力輸出国として近隣諸国に電力輸出している。

電力会社組織は、2004年に従来の発送配電一貫体制・垂直統合型事業者であった国有会社のE.D.Fが部分民営化され、自由化市場において公平性、中立性、透明性が求められ、送配電部門の機能分離が行われた結果、送電事業部を子会社化組織(R.E.T)とし、高圧系統B1~B3の送変電関連設備を所有、運用している。

さて、隣国のドイツの送電線は、線下面積を気にせず、頑なに水平配列またはドナウ型に徹した設計を採用しているのが大きな特徴であるが、フランスは送電線経過地の社会環境、自然環境に柔軟に対応し、同一線路でも各種の支持物形状を使い分けしている。
ただ、変電所への送電線引き込み口では、水平配列を採用し、幅の広い送電線専用用地(Right of Way)を確保しているのが、目立った。

電線の導体方式は、400KV系統で2~3導体が使用されていた。なお、400KV系統で4導体が使用されていると思われるが今回の旅行では見ることができなかった。
がいしは、主として自国、フランスで開発された緑色のガラスがいしが用いられていた。

なお、旅行中、曇天が多かったため鉄塔が逆光となり、黒一色でしか写真撮影できなかったものが多く、見にくいものがあるが、ご容赦いただきたい。


最後までご覧いただき感謝します。

フランスの旅行では、セーヌ川をパリから大西洋河口まで、4日間のゆったりとしたクルージングをしたが、船上で多くの河川横断の送電線をじっくり撮影できて良かった。

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