がくうそうでんせん

架空送電線の話

The Overhead Power Transmission Line
タワーラインソリューション
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Tower Line Solution Co.,Ltd.

イギリスの送電線 United Kingdom

I traveled in England and Scotland in 2008. I displayed photographs of the British power transmission lines which I took during the trip on this page. On this page, British various power transmission lines are displayed.

本項に掲載する送電線写真は、平成20年(2008年)7月にイギリス観光ツアーに参加したときに撮影したものである。
ツアーの行程は、ロンドン~コッツォルズ地方~湖水地方~スカイ島~ネス湖~インバネス~エジンバラで、グレート・ブリテン島を南北に縦断し、連邦政府のうちイングランドとスコットランドを観光した。
その移動は、ほとんど大型バスであり、掲載写真はほとんどがバスの窓越しに撮ったものである。

さて、イギリスは、面積は我が国の約2/3倍、人口は約6千万人で我が国の半分であり、人口密度は我が国に比べ低い。
また、地勢はなだらかな平地が多く農耕等に利用可能な土地面積は我が国に比較して遙かに多い。
したがって、都会を少し離れるとすぐに農耕・牧畜地帯で、都市と都市間が我が国のように住宅地で繋がっているということはなく、送電線のルート選定の自由度は大きい。
しかし、イギリスでは、ドイツ、フランスで採用している線下面積が大きなドナウ型または水平配列型鉄塔とは異なり、我が国と同じ電線配列方式、かなわち送電線占用面積を極力少なくする2回線垂直配列の鉄塔を用いている。

送電線の電圧は、400KV、275KV、132KV、33KVであるが、古い設備では66KV、22KVも残っている。
イギリスでは、1930年代に132KV系統が完成し、次に1950年代に275KV系統が完成し、さらに1970年代に400KV系統が完成した。
なお、400KVの導入に当たっては730KV、1050KV、DC400KVなどが検討されたそうだが、400KVであれば既設275KVの鉄塔設備をほぼ利用できる利点があるので、昇圧・流用可能な区間については、新規ルートの建設をしないで済むため経済的に有利であり、400KVを選定したそうである。

イギリスの送電線用電線種類は、極めて数少なく標準化されていて、132KVから400KVまでの電線、架空地線は次の3種類に定められている。

名称 構成 直径(mm) AL断面積(m㎡)
HORSE 12+7/0.110 inch 14.0 72.5
LYNX 30+7/0.110 inch 19.6 180.0
ZEBRA 54+7/0.125 inch 28.6 425.0
132KV(Light) 132KV(Heavy) 275KV(Light) 275KV(Heavy) 400KV(Light) 400KV(Heavy)
電線(導体数) LYNX (1) ZEBRA (1) LYNX (2) ZEBRA (2) ZEBRA (2) ZEBRA (4)
架空地線 HORSE LYNX LYNX ZEBRA ZEBRA ZEBRA

なお、イギリスの発・送・変電設備は、1990年まで国有中央発電局(CEGB)が独占してきたが、民営化により、イングランドとウエールズ地域は、発電3社と送電1社(NGC社:ナショナルグリッド社)に分割された。
現在、NGC社は、400KVおよび275KVを運用しており、132KV以下の送電線は配電会社が運用している。
一方、スコットランドは、南部をスコティッシュパワー社(SP社)と、北部をスコティッシュハイドロエレクトリック社(SHE社)の2社で、400KV、275KV、132KVを運用している。


以上、イギリスの送電線の写真を見ていただいて感謝します。

イギリスの旅行では、都市を少し離れると、なだらかな地形に、牧場が多く、のどかな、ゆったりした気分にひたってきた。

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